2014年1月31日金曜日

全部純資産直入法と部分純資産直入法の違い

投資有価証券の帳簿記入で、全部純資産直入法と部分純資産直入法というのがあります。なんか名前長いしややこしいなという印象を受けませんか? 僕はなんかもう「うえー」ってなって、とにかく解き方を丸暗記でした。でも丸暗記だとやっぱり良くないですね。すぐに忘れてしまう。それじゃいけないと思って、ちゃんと理解することにしました。そしたらなんかもう一生忘れない気さえしてきました。当ブログを読んだ方にも一生忘れないでもらえたらと願います。

そもそも「純資産直入法」ってなんだ? という話です。もっと言えば「純資産」ってなんだっけ? という話になります。これ、当たり前過ぎてあまり改めて言う人がいないと思いますが、貸借対照表の右下のことです。


なので投資有価証券の価格が上がっていたら、その他有価証券評価差額金(純資産)を増やして、投資有価証券(資産)の価格も増やしてやる。逆に投資有価証券の価格が下がってしまった場合、その他有価証券評価差額金(純資産)を減らして、投資有価証券(資産)の価格も減らしてやるわけです。id est 全部純資産直入法。これが原則的な処理です。


仕訳はこんな感じです。ついでに税効果会計も足しておきました。繰延税金負債(資産)はその他有価証券評価差額金からそのまま差し引いてやれば良いですね。(投資有価証券=繰延税金負債(資産)+その他有価証券評価差額金) 投資有価証券と呼ばれる連中は、売買目的有価証券に比べると換金性が低いと言えます。株式の持ち合いとかで、そんな簡単に売ったりしません。なので価値が上がったり下がったりしても、それを損益で考えることはしません。あくまで評価なのです。だから貸借対照表だけで事が済むのです。

とは言え、原則があれば例外もあります。全部純資産直入法は全部(投資有価証券の価格が上がった時も下がった時も全て)の場合に、純資産を直接増減させる方法でした。それに対して「おいおい、ちょっと待ってくれよ」というのが部分純資産直入法です。上記で「損益で考えることはしません」と断言してしまいましたが、そんなことないよというのが部分純資産直入法です。これは、保守主義の原則による考え方が根っこにあります。換金しにくいとは言え、換金出来ないわけではありません。保守主義の原則に則って考えれば、損はなるべく早く、多めに察知したい。そこで評価がマイナスのときに限って、純資産を直接減らすのではなく、損益計算書上の損失として認識させようとします。逆に言えば、評価がプラスのときにだけ純資産直入法を採用します。これが部分純資産直入法です。
 

評価がマイナスのときだけ、損益勘定を使ってきちんと把握します。繰延税金資産も別途計上して法人税等調整額とします。というわけで「全部評価差額部分損」と100回唱えて覚えてしまいましょう。