2012年7月22日日曜日

よく分かる金利スワップの話

金利スワップの会計処理がよく分からないって人は多いんじゃないでしょうか。そう思うのは単に僕自身がよく分かってなかったからというだけですけどね(笑) 以下は金利スワップ取引の繰延ヘッジ会計適用時の話をまとめてみました。

 
I love money <3

まず1万円ほどA銀行からお金を借りた、という設定で考えましょう。金利は変動金利、つまり支払利息が上がったり下がったりする状態です。

変動金利なんでどの程度利払いしなくちゃいけないかは、その時のタイミングで決まってしまいます。例えば変動金利が5%なら支払金利は500円になりますが、これがもし10%になったら1000円です。

前に為替予約のところで話をしたように、企業にとって不確定な未来、つまりリスクというのは出来るだけヘッジしておきたい(防いでおきたい)ものです。変動金利も企業にとってはリスクです。金利がずっと低いままなら変動金利で問題無くても、この金利が上がってしまう可能性も考えられます。なのでこの変動金利を固定金利にしてしまいたいというニーズが生まれました。そのニーズを満たしてくれるのが金利スワップ取引なのです。(固定を変動にしたい場合も考えられますが、とりあえずは変動から固定という話で進めます)

単純な話、借りた先の銀行に「変動金利を固定金利に変えてくださいよ」って言って、それが通ればそれで良さそうなんですけどね。それだと話が終わってしまうので、諸々の事情により途中の契約変更は無理、ということで考えてみましょう。
こんな具合に第三者(B銀行)にご登場いただきました。つまり上の図だとB銀行に変動金利を払ってもらう代わりに、B銀行に固定金利を支払うという契約を結ぶわけです。ちなみに金利スワップは相対取引(直接取引)なので、レートとかの細かい取決めはその時に行います。

さてここからが肝心の金利スワップの会計処理についてですが、処理においては4つのタイミングがあります。金利スワップの契約時利払い時決算時そして最後の決済時です。契約した時点では金利スワップによる損益が何も発生していないので仕訳はせず、実質3つのタイミングが会計処理を行うタイミングとなります。

①利払い時
変動金利が5%から10%にまで急上昇。しかしすでに金利スワップ取引で固定金利8%の契約を結んでいたとしましょう。すると処理は以下のようになります。
変動金利のままだと1000円の利払いが発生していたところ、800円で済ませることが出来ました。金利スワップのおかげで200円得しました。なので仕訳は金利スワップ差益を計上します。


②決算時
実際にお金のやり取りが無くても、決算のタイミングで何がどの程度の価値を持っているかはきちんと計上しなくてはいけません。①の例と同じように、変動金利10%、固定金利8%で考えてみましょう。あと繰延ヘッジ会計なので、法人税も気にしないといけませんね。法人税は40%にしておきます。
利払い時と同じように200円ほど得しそうですが、この時点ではまだ実際の損益は発生していません。なので収益が発生しそうだなという意味で、資産(金利スワップ資産)を計上しましょう。資産を計上するということは、お金が入るということで、お金が入るということはその分の税金を払わなければならなくなる、かもしれません。なので繰延税金負債を計上することになります。資産から税金を引いた分が最終的な損益(繰延ヘッジ損益)になるわけです。


③決済時
決済というのは最終的なお金のやり取りを意味します。②の例で示した金利がそのまま引き継がれて決済を迎えたという想定で考えましょう。
お金の流れそのものは利払い時と同じですね。利払い時の計算と違うのは、事前に金利スワップ資産(もしくは負債)を計上しているというところです。これをちゃんと処理してあげなければなりません。


決算時の仕訳をひっくり返して消去し、利払い時と同じ仕訳を足してやった、みたいな感じになりました。

これで金利スワップ取引の会計処理は完了です。繰延ヘッジ会計の他に原則処理と特例処理がありますが、繰延ヘッジ会計を理解していれば簡単なのでご心配なく^^。

0 件のコメント:

コメントを投稿

注: コメントを投稿できるのは、このブログのメンバーだけです。